ステンレス鋼の意外な弱点(SUS304,SUS316)

弱点が冷却水であると言うと、「えっと」思われる方もいると思うが、熱交換器におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)の報告例はかなり多い。
一般常識では、水に対してステンレスの使用は問題無い。
しかし、ある条件に当てはまったときには問題となる。
それは「温度が高い場合で水中に塩化物イオンが存在する場合」だ。
(塩化物イオンは中性塩水溶液で、普通に冷却水に含まれる)
温度が高い場合と言っても、たかだか80℃でも、まず間違いなく応力腐食割れが発生すると考えた方がよい。
個人的には、100ppm、60℃を超えるならステンレスの使用は控えた方が良いと思う。
一般の冷水塔の水質管理基準の塩化物イオン濃度が200ppmであるから、冷却水の出口温度が60℃に近くなる熱交換器等は、設計に注意が必要である